抹茶のタイニーリーダーズ考察-前編-




最近、GP神戸ぶりにまじめにデッキ構築について考えています。

色々な人の意見を聞きたくなったため今回文章にまとめてみることにしました。

タイニーリーダーズのデッキ構築に関する考察です。



目次

①フォーマットの特徴←ここまで前半

②実際の調整中デッキ

③採用理由

④控えカード



フォーマットの特徴

このタイニーリーダーズというフォーマットは普段慣れ親しんでいる構築フォーマットとは異なる点がいくつかあります。それが下記1~6です。

1、マナコストに制限がある
2、ハイランダー構築をしなければならない
3、初期ライフが多い
4、ライブラリが少ない
5、サイドボードが10枚しかない
6、統率者を使用する


これらの特徴をいかに追い風とすることができるか、またはいかに不利益を被らないか。

それがデッキ構築の肝になるといえるでしょう。

ではこれらの特徴は具体的にどのようにデッキ構築に影響を及ぼすのでしょうか。

それぞれの特徴を深く掘り下げて見てみましょう。


1、マナコストに制限がある

このフォーマットでは点数で見たマナコストが4以上となるカードは使用することができません。

そのため以下のような要素を考える必要があります。


・「3マナ以下の~」と書かれたカード(例:突然の衰微大歓楽の幻霊)が抱えるリスクを無視できる。

→基本的にこの一文はカードパワーを調整するために記載されている一文です。

それを無視できるのであればそれは非常に使いやすく、強いカードに昇華しているケースが大半でしょう。

それが色や目指すゲームの方向性と一致しているのならば、採用を検討すべきです。


・リアニメイトを始めとする「踏み倒し」という行動に利点が薄い。

引き裂かれし永劫、エムラクールグリセルブランドをはじめとする、重たくて一撃でゲームを決めてしまうようなクリーチャーは使用できません。全知等も同様です。

そのため再活性や実物提示教育は使用可能ですが、踏み倒しという行動はリスクとリターンが見合っていないと言えるでしょう。


・多くのコンボカードが使用できない

→上記の大型クリーチャーのみならずレガシー、モダン等でアーキタイプの核を担っている(担っていた)苦悶の触手、むかつき欠片の双子等のスペルも使用できません。

ゲームが理不尽に終わってしまうようなコンボというのは暗黒の深部周りのものが大半と言って良いでしょう。


・打ち消しが基本的に弱い

打ち消し呪文というのは大半が1:1交換で、カードアドバンテージは得られません。

それに加えて場に出てしまったパーマネントには一切干渉できないという弱みを持ちます。

そんな打ち消し呪文が広く構築フォーマットで使われる理由は何処にあるのでしょうか。

それはスタック上での受けの広さとマナコスト差です。

打ち消し呪文はCIPやPIG効果を誘発させず相手のカードを処理することができます。

また、解呪や終止の様に特定のカードタイプを除去するのではなく全てのカードタイプに対応できるものが多いです。

これがスタック上でという制限を引き換えに得た受けの広さです。

これに関してはタイニーリーダーズでも同じく強みを発揮できます。

もう一つの強みはマナコスト差。

これは自身の2マナのクリーチャーが相手の4マナや6マナのクリーチャーを上回ることはほぼほぼないのに対し、打ち消しは自身が2マナであっても相手のマナコストの高いクリーチャーを処理できるというものです。

テンポという表現をされることも多いです。これは1ターンの行動回数や後半のドローの強さ(低マナカードの賞味期限)等に影響を与える重要な要素です。

こちらに関しては、タイニーリーダーズでは3マナ以下のカードしか存在しないためにマナコスト差をつけることが非常に難しく、強みを活かしきれません。

そのためコントロールデッキを組む場合以外は確実にマナコスト差で有利をつけれる精神的つまずき呪文嵌め、そして圧倒的な汎用性を誇る対抗呪文の3種を検討するに留めておくのがベターと言えるでしょう。

また、これは打ち消しのみならず除去呪文にも同じことが言えます。妨害カードの採用は「軽くて受けが広い」を理想に掲げ、理想に近い順から必要枚数を採用していきましょう。


・マナコストにXを含む呪文が強い

→「X」WUU(スフィンクスの啓示)というようなマナコストにXを含む呪文はX以外の部分が3マナ以下であればタイニーリーダーズであっても使用できます。

6マナや8マナで唱えられる呪文が他の3マナ以下の呪文より強力なのは言うまでもありません。

しかしながら他の呪文に比べて圧倒的に重く、ゲームスピードに置いていかれるリスクも当然抱えています。

自分の見据えるゲームレンジに応じてX呪文の採用枚数を検討していきましょう。



2、ハイランダー構築をしなければならない

同名のカードを入れられないのがハイランダー構築です。

このハイランダー構築では以下のような要素を考える必要があります。

・特定のキーカードを複数枚投入することができない

→同名のカードを入れられないため、特定のカードありきの戦術を軸に置くのは適さないと言えるでしょう。モダンやレガシーに存在する霊気の薬瓶を軸に据えたヘイトベア戦術等がこれに該当します。

ただ、この要素には抜け道があり、特定のカードというものが自身の統率者である場合はその限りではありません。こちらは後に考察します。

また、本質の散乱と霊魂放逐、待機の稲妻と稲妻の連鎖といった同じ(またはほぼ同じ)カードを大量に採用できるデッキというのはハイランダーの制約を抜けた安定感のあるデッキと位置付けることができるでしょう。

バーンは似通った強さ、役割のカードでスペルのほとんどを埋めることができるため、非常に安定した構築が可能になっています。


・ハンデス、サーチ、再利用が強力

→あらゆるカードが1枚しか採用されていないため、上記の行動は普段より強力なアクションになっています。再利用はピンとこないかもしれませんが、ヴェールのリリアナ試練に臨むギデオン等、本来なら複数枚採用したくとも代わりを務められそうなカードが全くないケースで強さを発揮します。

瞬唱の魔道士はもちろん永遠の証人等のカードはデッキに柔軟さを与えてくれるため、一度は採用を検討してみましょう。



3、初期ライフが多い

4、ライブラリ枚数が少ない

3.4は書くことが少ないため、まとめて考察したいと思います。

書いてあることそのままなのですが、こういったルールによりロングゲームに分があるコントロール(ミッドレンジ)、ライブラリを攻めるライブラリアウトはルールに適しており、バーンや高速ビートダウンはルールに適していないということです。

とは言いつつも実はバーンはトップメタの一つです。それは6のルールを存分に活かしているからと予想できます。こちらは6で考察します。

また、毒の濁流等のペイライフがコストに含まれるカードは普段より使いやすいカードになっています。

たくさん入れてしまうとバーンや高速アグロにやられてしまうので、そういったデッキへの耐性を考慮し、採用枚数をを考えましょう。



5、サイドボードが10枚しかない

タイニーリーダーズはサイドボードが10枚しか用意できません。そのため以下のような要素を考える必要があります。

・通常の構築フォーマットより1枚1枚が重い

→通常の構築フォーマットが15/75つまり1/5がサイドボードなのに対しタイニーでは10/60(正確には59)の1/6しかサイドボードが与えられていません。

これはサイドボードの不自由さに直結しており、○○デッキへの専用サイドボードといった枠を割くのは無視できないリスクになります。

幅広いデッキに勝つためには、メインの相性差を考慮する必要は当然ありますが、受けの広いサイドカードを採用する必要があると言えます。



6、統率者を使用する

ここまで色々と書いてきましたが、このルールが最大の特徴と言えるでしょう。

統率者周りでは以下のような要素を考える必要があります。

・唱えるだけでアドバンテージを得られる

統率者は他の構築フォーマットからは存在しない領域から戦場に出てきます。つまり統率者は唱えるだけでアドバンテージを得ることが可能なのです。

相手より多くの回数唱えるとそれだけアドバンテージ差が広がります。

これを最も活かしているのが先ほど記述があった赤単バーンの統率者、ズルゴでしょう。


・統率者はドローの質に一切の影響を受けない

統率者はドローの質がどうであろうとも、マナさえあれば唱えられます。

つまりほぼ全てのゲーム中に唱えられるため、統率者が戦場における影響力を十分に持っているかどうかもデッキの強さに直結します。

カラーマーカーとして置いてあるだけと割り切って統率者を設定することは、統率者自体が強い影響力を持つデッキに対して明確に劣っています。

これを最も活かしているのがトレストの使者、レオヴォルドではないでしょうか。

極端な例ですがレオヴォルドはSultai(昔使われていた青黒緑の伝説のクリーチャー、3マナ2/2のバニラ)に比べて圧倒的に戦場への影響力を持ち、アドバンテージを稼ぎます。ゲームにならないとまで言ってよいでしょう。

また、長引けば勝つといったコントロールデッキの基本的な考え方も、何度も唱えられる相手の統率者が自身の統率者より強力であれば通用しなくなります。

統率者はなるべく複数回有効に唱えられ、複数回ゲームを良くしてくれるかを基準に選ぶのが無難です。

また、ドローに関係なく唱えられるため、統率者をキーカードに設定すると、ハイランダー構築のセオリーから抜け出し、一転安定感のある戦術にすることができます。

これを最も活かしているのが聖トラフトの霊でしょう。

聖トラフトの霊を統率者に据えることで、呪禁オーラが抱えるオーラと貼り先の枚数が嚙み合わないといった問題や、クロックパーミッションが抱えるクロックと妨害の枚数が嚙み合わないといった問題から完全に抜け出すことに成功しています。

このように、グッドスタッフから離れた戦術を取る際には必ず統率者を絡めたゲームプランが軸になる構築にすべきでしょう。



ここまでが前半です。後半には目次にあるように、現在調整しているデッキのリストについての考察を行う予定です。

デッキは統率者をトレストの使者、レオヴォルドに据えた少し重ためのグッドスタッフです。


つづく


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